ばぁどです。
7年目エンジニアです。 業務は主にWebアプリケーションの作成や、サイバーセキュリティ関係を細々とやっています。
約半年の内定者研修を経てWeb開発受託を主とする中小企業に新卒で入社してプログラマに育てていただきました。
それから数年が経ち、エンジニアとして何社か経験した現在では、未経験のエンジニア志望にプログラムを教える機会や外部でエンジニアになりたての人にお会いしてお話しする機会がありました。
その時脳裏によぎるのが、新人時代に教えてもらったプロフェッショナルになるために必要な時間についてでした。 今回は自分自身の思考整理も兼ねて、アウトプットしておきます。
プロフェッショナルになるために必要な時間
まず、プロフェッショナルという単語についてです。
広辞苑より
《名詞・形容動詞》それを職業として行うようす。職業的。専門的。また、専門家。プロ。
巷では、よくプロフェッショナルになるためには10,000時間が必要だと言われております。
初出は、英国の新聞記者さんの出した本だそうです。
Ten thousand hours is the magic number of greatness.
(訳:1万時間は偉大さを示す魔法の数)
本名:マルコム・グラッドウェル氏の著書『天才! 成功する人々の法則』
上記の本では、音楽系の大学生にヒヤリングを行い、総練習時間を計算してみたところ練習時間が10,000時間を超えたあたりで、10,000時間を超えている人と、超えていない人の実力に差が出たそうです。 このように10,000時間に対してヒヤリングを基にした根拠も書かれており、10,000時間というのは何かしらを極めるための一つの目標値としてはありなのかなと思っております。
この10,000時間を根拠に1日何時間該当項目について勉強や経験をすれば良いか、計算をしてみると下記のような結果になります。
1日の勉強時間 | 1年(365日計算) | 10,000時間に到達するまで何年かかるか |
---|---|---|
3h | 1095h | 約9.13年 |
5h | 1825h | 約5.4年 |
8h | 2920h | 約3.4年 |
10h | 3650h | 約2.7年 |
1日8時間というのは一つの大きな分岐点だと思います。 なぜかというと、基本的に日本には「八時間労働制」という制度があるのでそれを基準としています。
平日8時間しっかりと仕事をして、土日も休まずに自己研鑽をすると約3.4年で10,000時間を超えることができます。
ちなみにエンジニアが休日に勉強せずに、平日の業務時間のみの場合は下記になります。 エンジニアが休日も自己研鑽するべきか?論争はよく起こりますが、参考として置いておきます。
1日の勉強時間 | 1年(245日/年間休日120日計算) | 10,000時間に到達するまで何年かかるか |
---|---|---|
3h | 735h | 約13.6年 |
5h | 1225h | 約8.1年 |
8h | 1960h | 約5.1年 |
10h | 2450h | 約4.0年 |
※ 1日3時間、5時間労働はあまりないかもしれませんが上記表と比較するために残しました。
業務時間だけの人だと5年を少し過ぎたあたりで10,000時間に達するのに対し、休日も勉強している人は3.4年で10,000時間に達するので、両者の間には1.6年の差があることがわかると思います。
そもそも10,000時間というのが本当なのか説はありますが、休日勉強する/しないで差が出るのは分かるでしょう。
ちなみに私は前者の休日も自己研鑽することを推奨する派です。
石の上にも3年について
日本にも同じような諺があります。 「石の上にも3年」です。
コトバンクより引用
冷たい石の上でも3年も座りつづけていれば暖まってくる。がまん強く辛抱すれば必ず成功することのたとえ。
上記の説明だと、”必ず”とついてしまっているのが中々味わい深いですが、10,000時間の時に計算でもしたように毎日休まず8時間やれば、3年過ぎたところで一定の成果が出るようになります。
私自身の話になりますが、私はエンジニアになって最初から休日に勉強をするような人ではありませんでした。 平日に仕事をするので手一杯でメンタルをやられて最初の数ヶ月の土日はひたすら布団の上で平日に自動録画されたドラマ「相棒」をポテチ食べながら見る自堕落な日々を過ごしていました。
しかしこの10,000時間や、当時の部門長に残業を禁止していただけたおかげで、一刻も早く一人前になって会社の足枷になるのを止めようという思考に変わり、徐々にプライベートの時間に自己研鑽を始めるようになりました。 平日は毎朝5:30に起きて、7:30には会社に出社して勉強や技術ブログを読み込んだり、残業禁止してもらったので定時に帰って19:00から就寝時間まで勉強を続けました。 土日も資格勉強だったり、当時の会社は夏冬で開発合宿というイベントもやっていたので、そういったイベントにも積極的に参加していました。
そしてプログラマとして自信を持てるようになったのは、社会人4年目の夏くらいだったかなぁと思います。 その時には周りからの評価も一定して一人前として扱ってもらえていたイメージです。 一年目から土日の自己研鑽を欠かさなかったり、もう少し要領よく勉強していれば自信を持てるのも早かったのかもしれないですが苦笑
私の場合は石の上にも4年でしたね。
石は選ぶ必要あり!どんな石でも良いわけではない。
最後に重要なことを書いておきます。 それは石の上にも3年の説明にも書いてありましたが、”絶対に成功する”というのは決して正しくはない場合があるという点です。
自分自身が置かれている”環境”というのは、とても重要です。 環境によっては、自分の実力が100%発揮できる環境もあれば、少しも学べることがなく成長できないという環境も間違いなく存在します。 今自分自身が置かれている環境が前者であるならば問題ありませんが、後者である場合は環境を変えるための何かしらのアクションは必須です。
アクションとは大きい会社であるならば部門の配置転換を求めてみるだったりとか、転職なども一つの手段だと考えます。 結局は、今置かれている環境(石の上)でどういった経験を積んで、そのようなスキルを身に付けたいかが自分の中で落とし込めているのであれば問題ないのですが、そうでないのであれば「石のうえにただ座っているだけ」になってしまうので、どういった環境で10,000時間を過ごすかはしっかりと考えましょう。
まとめ
個人的に重要だと思うポイント
- 10,000時間を目安に勉強をする
- 下に敷く石は選ぶ必要あり
私は運よくしっかりと基礎を築ける会社でプログラマとして成長することができました。 これからも新しいことを始めるときは、10,000時間を目安に自己研鑽に励みます。